DUST BOX

Smoky Mountain

2007年03月05日 17:32:00
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スモ−キーマウンテン。そこはゴミ山。マニラのトンド地区にある場所。
一番都市貧困層が集中している場所。いわゆるスラム。
最下層の人々がそのゴミの中から再生可能な物を拾って換金し、生計を立てている。
その数約1500世帯。

信じられない光景だった。
ゴミの山。煙がたちこめる。
ゴミ山のすぐ隣りに小さな掘っ建て小屋がたくさんあってそこに人が住んでいる。
そこに着いた瞬間、鼻を突くニオイ。見渡す限りのゴミの山。大量のハエが飛び回る中、
人々がゴミを分別してお金になりそうなものを捜すその姿。
小さな子供さえも真っ黒になりながら働いている。
1つの袋から捜物をする少年。歯のないおじさん。溢れんばかりの笑顔。駆け寄ってくる子供。
手を繋いでくるガキんちょ。
小さな家で雑魚寝してる家族。
マニラは暑い。小さな川が流れている。東京湾のような色をした水中で子供達がまっ裸で泳ぐ。

スラム地区は興味半分で行くもんじゃない。
分かっている。だけど見たかった。
何を感じるんだろう、、、恐かった。汚いと思ってしまうかもしれない、軽蔑してしまうかもしれない。
あたしには想像も出来ない生活だから。

だけど、その現状を目にした瞬間、私の気持ちはすごくクリアだった。
もちろん同情もあったし、可哀想だとも思った。汚いとも思った。
けれど、なんか気持ちは晴晴れしていた。
それは多分みんなが笑顔だったからかもしれない。

NPOの知合いに通訳を頼まれて、受けた。スモーキーマウンテンに住む1つの家族を訪れインタビューをした。
(自分の英語力を分かってからやるべきだった 汗)

果てしなく続く辛い辛い人生。どんなに明るい未来を夢見ても、その日ご飯が食べられるかさえ分からない。
朝5、6時に起きてご飯を食べる。毎日ダンプで運ばれて来る、私達が捨てたゴミを拾う。お金になりそうな
ものが見つからなければご飯が食べられない。
歩いて、捜して、また歩いて、、、、時にビンの破片で足を切る。それでも歩き続ける。
美味しいものなんか食べられない。ゴミから出るガスで病気にかかりやすい。
ここに住む人々は下痢、嘔吐、皮膚病などの病気を抱えている人も少なくない。病気をした時が一番辛い。
病院なんか行けるわけが無い。。。彼ら彼女らにはどうすることもできない。
なんとかここから出ようとしても、結局戻って来てしまう。今日は良くても明日は分からない。
いつ政府に追い出されるか分からない、毎日不安な生活。。。
でも今は此処に住むそのコミュニティーをもっと良くして行きたいと願う彼女。
彼女は政府から一時的に借りた家に家族3人で住んでいる。旦那さんと息子さん。
その息子は本当の息子ではないのだけれど、小さい時から育てて来た。
そして今もその子が学校に行けるように一生懸命生きている。

ここに住む子供の中でたった20%が小学校に行ける。(そのうち卒業出来るのは5%)

最後に彼女が言った言葉を一生忘れないだろう。
「私は他のみんなの為に生きています。この子(息子)と他の住民たちを助けてあげたいからここにいます」(直訳)

大粒の涙を流していた。。。。
このたった2つの文章からもの凄い言葉に出来ない感情が私の中に生まれた。
言葉にするのは無理ですが。。。。
母の顔が浮んだ。

あの大粒の涙の意味を私は全部理解することは不可能です。
救いたい子供がいる。愛する家族がいる。助けたい仲間がいる。
金持ちだけが貧乏人を救えるわけじゃない。貧乏人だって貧乏人を救える。
彼女との会話のたった30分の中で見た気がしたもの。。。

希望。

彼女は生きている。
スモーキーマウンテンの住人達は確かに今を生きている。

あたしは自分を誇った、日本人であることを誇りに思った。
けれど、竹内知子一人の人間として恥ずかしくなった。
(英語のスキルも含めて)

その夜、あたしはお酒をたらふく飲んだ。美味しいご飯を食べた。
先生の中で唯一信用できる大好きなteacher Anaと話した。
あとCindy とMaxとClark。
LOVE & LIFE。。。。
愛と人生について。
最後、人生って難しいね。で終った。